03SUZUKA/REPORT/TOP

■2003/10/12 決勝。 -part2-■
@S字自由席。

フォーメーションラップが終わり、ちょうど対岸の辺りからエンジン音が高まっていくのが聞こえる。いよいよスタート!


2コーナーに飛び込んでくるマシンを望遠レンズで追いかけながら、必死に水色のマシンを探した。
<バリチェロを先頭に、2コーナーを回ってくる各車。



<トゥルーリを探せ!LV2(カーソルを乗せると答えが出るよ)
…いた!兄マッハのすぐ後ろ!
後ろにいるマシンを指差し数える。
ジョーダン、ミナルディはとっくにかわしていた。2コーナーを回るまでにザウバーの2台も追い越してる。
<順に、琢磨、ミハエル、トゥルーリ、ザウバー2台。
6台抜いた! 6台抜いた!
こゆさんにすがりついて思わず叫んでしまいました。

そして一斉にマシンが通り過ぎた後…一台だけてってけてーと後を追いかけてくヨス番長(笑)
(後で知ったのですがピットスタートだったそうで)

そしたら、
こゆ「あ! モンちゃんトップですよ!」
画面を見ると、いつのまにかPPのバリチェロを交わしてモントーヤがトップに立っている。
<2周目。この時点で既にぶっちぎり体制のモントーヤ。
そういえばバリチェロPPだったっけ。この期に及んですっかり忘れていたわし(汗)。
(忘れていたというか、前日の予選があまりにショックでちゃんとグリッド順確認していなかった(汗))

アロンソもスタート決めて3位。うー、トヨタが微妙に順位落としてる…。
トゥルーリは無事に13位で通過。
やっぱり予選で不運に見舞われたラルフもぴったり後ろにつけて追い上げてる。

…と思ったら早々に最終シケインでスピンしてポジションダウン(汗)。画面に映った瞬間『ラルフー?!!』って思わず叫んでしまいましたわ。

2位に落ちたバリチェロがいまいちペースが良くなくて、アロンソにつつかれぎみ。 ぎゅんぎゅん逃げるモントーヤ。
アロンソの好調振りを見るにつけ、トゥルーリだってまともに予選走れていたらこれくらいのポジションいたかもなー…と思わず夢を見たり。つーかちょっと悔しかった(ごめん)。
兄マッハは佐藤琢磨と接触してフロントウィングを壊し緊急ピットイン。
で、トゥルーリは…あれ?さっきまでジャガー2台の後ろにいなかったか?いつのまにか前に出ている。順位確認したら既に9位。
この怒涛の追い上げっぷりに

俺が一体何したっていうんだよー!!!

… という彼の魂の叫びを聞いた気がしました。

…と思ったら9周目、なんとトップ独走していたモントーヤが突然スローダウン! ピットに入ってそのままリタイア。
ほぼ同じ頃に、フレンツェンも白煙吐いてストップ(泣)。 もしかしたら最後のレースになるかもしれない彼、最後まで走って欲しかった…。

そしてわしはさっきまで走ってたトゥルーリがいない!と一人で大慌てし、こゆさんは冷静に『あ、ヤルノピットインしてますね』。落ち着けよわし(汗)。
ちょうど1回目のピットストップのタイミングでした。

1回目のピットストップも特に混乱なく終わり、レースが落ち着いたかな…と思った頃、この日最大の事件(わしとこゆさんにとっては)が。


ビジョンに映った、水色のマシンがコース脇で止まっている映像。
えっ、どっち? と目を凝らしていたら、表示された『ALONSO』の文字。


一瞬、頭が真っ白になった。

今シーズン、アロンソの活躍ばかり目立っていてわし的にはちょっと(いやむしろかなり)面白くなかったのは認めます。
でも流石に、目の前で止まった瞬間を見てしまうと言葉が出ませんでした。
マシンを降りて、ガードレールをバンバン叩きながら歩いていくアロンソ。そりゃ悔しいだろう。何しろ2位走っていたんだ。
ああもう横でこゆさん涙ぐんでるし…。ちくしょう何もこんな時に止まるなよ!

うー、こうなったらお前がアロンソの分まで走れトゥルーリ!…ってあれ、いつのまに佐藤琢磨の前に出てたんだ?
(でも心の中でよっしゃー!とほくそえんだのは内緒だ(笑))


客席は佐藤琢磨が通るたびに旗振って大騒ぎ。兄マッハの追い上げに大騒ぎ。
隣にいた外国人の方に『シューマッハ、スゴイネ』と話し掛けられ、
何て答えたらいいかとっさに思いつかず、とりあえずサムアップを返した。

と、 マーシャルの方がわしらのいる通路の真横を下りてきた。
次に目に飛び込んできたのは青いレーシングスーツ。ふっと顔を上げたら…フレンツェン?!
うつむいて、顔中びっしょり汗かいて、凄く悲しそうな表情で、マーシャルに先導されて降りていった。
間近で見たフレンツェンは、確かに寂しそうだったけれど、とても大きくて、かっこよかった。 これが、世界で10年も戦ってきた人なんだ、と。

この辺りから既に、先にぶつけた膝が痛くてまともにレース見てられる状態じゃなかったです(泣)。 (人の頭が邪魔で立ち膝着いてないとまともにコースが見えなかった)
あー、フィジケラもストップしてる…。 今年本当にいいことなかったなあ…。今回も予選でファーマンに負けてるし。
ファーマンっていや、序盤フィジケラの後追いかけて走ってて、S字2こ目の縁石をぐにって踏み倒していった走りにFポンチャンプの意地を見た気がしました(笑)。
(フィジケラより思いきり内側のラインだった)

と、またマーシャルの人が降りてきた。
今度は何だと思ったら、なんと誘導されてアロンソが降りてくる!…って、何でヘルメット被ったまんまなんだ?
<…。

<すたすた。
周りが大声で名前呼んでも振り向きもせず、すたすた降りていきました。
見るからに怒ってます、という感じの後姿が印象的でした。

これは後から聞いた話なんですが、アロンソはリタイア後、ピットの壁にヘルメット投げ付けて激怒していたそうで。
気持ちは分からなくもないが、仕事道具を粗末に扱うのはちょっと感心しないぞ?

頑張れ、アロンソ。わしは君の5年後を今から楽しみにしているから。


終盤に近づいてレースもすっかり膠着。トゥルーリはずっとバトン追いかけているんだけれど 追い越すまでには至らない。
やっぱりエンジンパワー考えたら追い付くのは辛いんだろうなあ…。
そういえば今何位なんだ? と順位表示見たら。

<8位入賞までには対応しておりません。(当たり前だ)
5位?!
予選19位だった人が5位?!
…すみません、ここまで追い上げて下さるとは思っていませんでした(汗)。
兄マッハは昔予選16位から15台抜いて優勝したことあるけれど、これだって14台抜きですよ奥さん(贔屓目もここまで来るとすがすがしいよな(笑))。


そしてファイナルラップ。
バリチェロがコントロールラインを通過した瞬間、対岸のスタンドから一斉にフラッシュが光った。まるで祝福するかのように。

そして、最後までタイトルを争ったライコネンは惜しくも2位。これで、ミハエルの6度目のタイトルも決定。
ライコネンに続いてクルサード3位、バトン4位、トゥルーリ5位、ダ・マッタ7位。ミハエル8位。
ラルフも頑張っていたんだけれど、終盤最終シケインでアクシデントに遭い、フロントウィングを壊してピットインしたりして結局12位。
そして、スポット参戦の佐藤琢磨は6位入賞。お客さんは盛り上がっていたけれど、ジャックのことを考えるとなんか素直に喜べなかったわし。(レース中も意地でも手振らなかったしな(笑))
最後のパレードラップは、お客さん総立ちでコース全然見えなかったけれど、あの中にトゥルーリがいるんだと思うとそれだけでほっとした気分でした。

もう、予選順位のことは言うのやめにしよう。あれで文句言ったら罰当たりそうだわ(笑)。


早々にシートを片付け、わしのわがままで1コーナー側を回ってグラスタ前へ戻る。
(こっち側通った事なかったのと、逆バンク側は途中細い階段があって混雑時は危険かな、と思ったので)
いやもう列が動かないのなんのって(笑)。
30分近くかかってやっとグラスタ前に戻ってくると、ブリジストンブースで浜島チーフが話している。
「ミハエルは最後、『俺はダ・マッタを抜くんだ、抜くんだ』ってずっと言ってたんですけれど、 ロス・ブラウンに抑えられまして、仕方なく諦めたんですよ」
兄マッハらしいなあ、と微笑ましく聞きつつ、待ち合わせ場所に移動しようと歩き出した時、

「RIHOさん!」
なんと、グラスタ前のあの超弩級人込みの中でRIHOさんにばったり!
RIHOさんもRIHOさんで、帰り道にわしらのいた自由席に立ち寄ってみたけれど既に撤収した後で、これはもう会えないだろうな、と思っていたそうで。
わし「おめでとうございます!」
RIHO「ヤルノよかったねえ」
わし「ええ、まさか5位入ってくれるなんて全然思ってなくて…」
と、答えていたら何故か涙がぶわーっとこみ上げて来て止まらなくなってしまい…。最後の最後でお見苦しいところを(汗)。

RIHOさんも移動中だったので、短い間のご挨拶でしたが、あの時お会いできて本当によかったです。

そして、うちわ隊の皆さんと合流。
Ariaさんの浴衣姿にびっくり。でも彼女もアロンソファンで、やっぱりリタイアはショックだったみたい。終始涙ぐんでいて可哀相でした…。
ごひいきが残念な結果に終わった人もいるのに、それでもあちこちから「よかったですね」って言われて、
改めて喜びを噛み締めておりました。 みんないい人だー、いい人だー(号泣)。

その後の打ち上げにも出たかったんですが何せ翌日仕事なので、ご挨拶だけして、レースの余韻に浸る間もなくサーキットを後にしました。


さて、白子行きのバス乗り場は…前日1時間半待った列なんか目じゃない大行列(汗)。
いや、バスに乗れたとしても、道路自体が多分混雑しているだろうし、いつ駅に着けるか…。

とりあえずどんな手段でも名古屋発の最終には乗らないと今日中に帰れない、と焦ったわしは、
歩きました。白子駅まで1時間半。
めちゃめちゃ遠かったです…。

でもおかげで7時には白子についたし、電車も新幹線も座って帰れたので(自由席だったのに)ラッキーでした。それでも家に着いたときには日付変わってたけど(笑)。
翌日朝から休日出勤でゾンビ状態で仕事していたのは言うまでもありません。

…とまあこんな感じで3日間ばたばたと過ぎていきました。
現地でお世話になったこゆさん、のらさん、Ariaさん、なみそんさん、ホテルでばったり会った(笑)ウィルさん始め、うちわ隊各位の皆様、
初観戦のわしにいろいろアドバイスしてくださったRIHOさんにはこの場を借りてお礼申し上げます。有難うございました。


それと最後に。
『彼氏いるんなら何で一緒に来なかったの?』とお思いの方もいらっしゃるかもしれませんが、
それについてはマンセルがスポット参戦でもしてくれない限り絶対無理なんで(笑)
来年もまた、一人でうろうろしていると思います。 見かけたら、かまってやってくださいませ。

>OMAKE

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