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頑張れ井出有治。



『井出! 次は勝って泣いてくれ!』

初めて観に行ったFポン、2004年の第3戦・もてぎラウンド。
ピットストップで手間取ってロッテラーに逆転されて優勝を逃した時、
ポディウムでも終始、表情が暗かった。

去っていく背中にかけられた言葉はファンの切実な願いか、居合わせた者の野次かは
私にはわからないが、
妙に頭について離れなかった言葉。


その半年後。第8戦、再びもてぎラウンド。

井出氏は3番手グリッド。
 
(PPは脇坂寿一氏、2番手はリチャード・ライアン、4番手にアンドレ・ロッテラー。
右の写真の手前の赤い車が井出氏)


シグナルが消えた瞬間、前の2台の間を一気に突破してきた赤いマシンに、
私はスタンドで我が目を疑った。



そして、そのまま逃げ切って、Fポン2年目で念願の初優勝。

この後の最終戦、
鈴鹿の1コーナーでライアンを豪快にパスした鬼気迫る走りをテレビで見て、
もしかしたら、次にくるのはこの人かも、と思った。
ただそれは『日本一速い男』として、で、F1に行くなんてこの時はこれっぽっちも思っていなかったけれど。


 
井出氏は、レースで勝てないと本気で悔しがる人、な印象がある。

05年の春のもてぎもPPを獲ったにもかかわらず、ピットストップでライアンに逆転されて2位に甘んじ、
レース後、ポディウムの下で座り込んでうなだれていた。


 
どちらかと言うとぼそぼそと喋る人で、あんまり喜怒哀楽が激しいタイプには見えないが、

何故か『へにゃっ』と笑うんだよな。


おかしかったのが、05年頭の東京オートサロン。
プロドライバー3人と、一般のお客さんでタッグを組んで、
レーシングゲームで対戦すると言うイベントがあったのだが。
(左から、服部尚貴氏、飯田章氏、井出氏)

  
自分のマシンがコースを飛び出すたびに
『おおーっ!!』『うぉーっ!!』『うぁーっ!!』と大騒ぎ。
マイクを向けられて返ってきた答えが『すいません今話し掛けないでください!』だった。

一方の「殆どゲームをやったことがない」飯田氏は。

…完全に目が座っていた(笑)。



日本を離れるのはちょっと寂しい気もするけど、新天地で頑張ってくれることを願って。

5年後、10年後、どんなドライバーになっているか、楽しみにしています。


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